お盆。

今年も御霊が帰ってくる時期がきました。

ご先祖様、肉親が我が家へ無事に辿りついてきている事でしょう。

みなさん、お元気でしたかぁ？（笑）。

私達はみんな元気ですよ。
それぞれに、それなりにいろんな事がありましたが、
この一年、一生懸命に歩いてきましたよ。

実体で会っちゃうとびっくりしちゃうので、
陰でこっそりと（笑）我が家を楽しんで下さいね。

私には逢った事がない兄がいました。
私が生まれるずっと以前に亡くなったそうです。
子供の頃から、兄は写真でしか見た事がありません。
ちょっと父に似てるかな。

今は札幌近郊にお墓がありますが、
以前は本家にお世話になっていました。

本家からこちらへ兄を移す時に、
お骨を骨壷に入れてくるわけですが、
私は精一杯の妹としての気持ちを表したくて、
骨壷を包む風呂敷を両親にプレゼントしました。

季節は春、誕生月と同じ4月に、兄は戻ってきました。
私が贈った桜の花が描かれた風呂敷に包まれて．．．。

お坊様のお世話になり、兄を納骨した帰り道の事です。

私の車に父と母が乗っていたのですが、
霊園からしばらくした坂道で、ある事に気がつきました。

「危ないなぁ、あの自転車。」

私の車と並走する一台の自転車がありました。
運転席側ではなく、母の座る助手席側です。

背の低いガードレールがあったのですが、
その内側で車輪が回っていました。

ふと、妙な事に気がつきました。

なぜ、車輪が見えるのだろう．．．。
なぜ、前を向いているのに、
助手席の母を通り越して自転車が見えるのだろう．．．。

しかも、車のスピードは軽く６０ｋｍ／ｈを越えてるはず．．．。←郊外だから。

私は母に尋ねました。
「横に自転車、走ってるよね？？？危ないよねぇ」と．．．。

母は「．．．．．．．．解らない．．．．」
そしてこう続けました。

多分、お兄ちゃんが見送ってくれてるんじゃないの？
きっと嬉しくてついてきてるんだよ。

そう言って、車の窓をあけて、
「また来るからね」と呟いていました。

普通、骨壷は白い布で包まれていますが、
その上から桜の花がいっぱい描かれた桃色の風呂敷に、
兄は今でも包まれています。

もしかしたら、桜のお礼に来てくれたのかもしれないなぁ．．．。

逢った事のない兄ですが、
私にとって大切な家族の一員。

どうぞ今年ものんびりしていってね．．．．。

（でも、実体は、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ．．．笑）。